スプリットとは
世界遺産に登録されたクロアチア第2の都市。古代ローマの宮殿に人々が暮らす、世界的にも珍しい歴史を持つ旧市街だ。旧市街は古代ローマ時代の雰囲気に溢れ、海沿いのプロムナードに一歩踏み出せばリゾートの雰囲気になる。多面的な要素を持つ、面白味に溢れる街だ。
スプリットの1日モデルコース
スプリットの見どころは旧市街周辺に凝縮されており、1日あれば十分巡ることができる。古代ローマ時代の歴史もリゾート感も、1日で満喫できるモデルコースをご紹介する。
1. プラチェ・ラディッチ広場
スプリット観光のスタートはプラチェ・ラディッチ広場から。プロムナードから一歩足を踏み入れた途端に古代ローマにタイムスリップできる。この広場にある砦はベネチア支配時代のもので、かつては果物市場が開かれていたという。また、15世紀のクロアチアの詩人であるマルコ・マルリッチの銅像もある。
2. 魚市場
プラチェ・ラディッチ広場から西側に進むと、魚市場がある。午前中に訪れれば、アドリア海産の新鮮な魚介類が並ぶ様子を見ることができる。テントが張られた屋外の市場だが、清潔感がある。雰囲気を味わいにふらっと寄ってみては。
3. ナロドニ広場
魚市場から東に進むと、開けたナロドニ広場に辿り着く。大きな広場で、ベネチア支配時代の旧市庁舎が置かれた場所。広場にはカフェがたくさんあり、旧市街を眺めながらのカフェタイムにもおすすめ。
4. 鉄の門
ナロドニ広場に面した宮殿西側の門。時計を備えた鐘楼がある。広いナロドニ広場から、ぐっと狭い鉄の門を抜けて宮殿内に入っていく感じは、いよいよスプリットのハイライトを拝めるという期待感を掻き立てる。
5. 金の門
鉄の門から左手壁伝いに細い路地を抜けていくと北側の門、金の門に出る。金の門の外は開けており、スラブ語の保護に貢献したグルグール司教の像がそびえる。
6. ペリスティル
金の門から再び宮殿内に入り、まっすぐ路地を抜けていくと中庭(ペリスティル)に出る。目の前には大聖堂などの古代ローマの雰囲気が広がる。スフィンクス像が見えるが、こちらは皇帝がエジプト遠征時に持ち帰ったものだそうだ。
7. カフェ:ルクソール
ルクソールはペリスティルに面したレストラン。店内利用も可だが、中庭に面した石段に腰掛けるテラス席もある。こちらで軽くランチはいかがだろうか。店内は階段と天井画が美しい。お手洗いも利用できるが、ロックがかかっているため店員に暗証番号を聞いてから利用しよう。
8. 大聖堂
スプリットのハイライト。元々はディオクレティアヌス帝の霊廟として建立され、8世紀頃に大聖堂へと作り替えられた。入場料は有料だが、荘厳な雰囲気で必見。数々の見どころに溢れている。
左はロマネスク様式の彫刻が施された入口扉で、キリストの生涯が28枚のパネルで描かれている。右は大聖堂内部の様子。八角形の聖堂で、細やかな彫刻が施されており美しい。
9. クリプト
聖ルチアを祀る礼拝堂。大聖堂の地下にある。聖ルチアはディオクレティアヌス帝の迫害によって304年に殉職した聖人だ。暗く細い階段を下っていった先に広がる空間とその神聖な雰囲気は必見。
10. 鐘楼
高さ60m、街のシンボルである鐘楼に登ることができる。階段は非常に狭くて急ですれ違うのも大変だが、登りきった先にはスプリットも街を見渡せる360度の絶景が待っている。動きやすい服装で観光するのがおすすめ。
11. 洗礼室
大聖堂から西側に路地を抜けると現れる、大聖堂の洗礼室だ。クロアチア王が彫られたプレロマネスク洗礼盤などがある。元々は最高神ユピテルに捧げる神殿としてディオクレティアヌス帝によって建立された。
12. 銀の門
宮殿の東側の門。 銀の門から宮殿内を振り返ると鐘楼が綺麗に見える。カメラの画角にも鐘楼が綺麗に収まるので、おすすめの撮影ポイント。
13. 青空市場
銀の門を抜けると通路沿いの土産物店と、広場には青空市場が広がる。露店の土産物店は価格も手頃でバラマキ土産を探すのにおすすめ。また、青空市場は野菜、果物や花卉を扱う店舗が所狭しと並ぶ。色とりどりの品物を扱う市場は、見ているだけでも楽しい。
14. プロムナード
青空市場から海側に抜けるとプロムナードに抜ける。宮殿内とは打って変わってリゾートの雰囲気。アドリア海が美しく、椰子の並木が並ぶ。プロムナード沿いにはカフェや土産物店がたくさんあり、こちらでのカフェ休憩がおすすめ。中でもカフェ『BOBIS』ではたくさんの種類のケーキが選べ、海を眺めながらのカフェタイムを楽しめる。
15. 青銅の門
カフェ休憩が終わったら、再び宮殿内に戻ろう。プロムナードから宮殿内に続く南側の門は青銅の門と呼ばれる。青銅の門からは地下道に下ってゆく。
16. 宮殿の地下
青銅の門からペリスティルまでは宮殿の地下道が続く。地下道沿いには雑貨やアクセサリーを扱う土産物店が並ぶ。宮殿の地下という異世界でのお土産探しは楽しい。また、有料だが、かつて倉庫などとして使用されていた地下室の見学もできる。
17. レストラン:FIFE
ディナーはアドリア海の幸はいかがだろうか。レストラン『FIFE』では、お手軽な料金でシーフードを楽しめる。人気店のためいつも満席だが、回転は早いので少し待ては入店できるだろう。日本語メニューもある。おすすめはイカスミパスタ。クレジットカードは使用できないので、現金を用意しておこう。
スプリットからアドリア海の離島へ
スプリット自体は1日あれば十分観光できる。時間に余裕がある場合は、スプリットから離島へ足を伸ばしてみてはいかがだろうか。バカンス客に人気のリゾート島であるフヴァル島やマルコ・ポーロ伝説が残るコルチュラ島へは、スプリットからフェリーでアクセスできる。