修善寺温泉
日本百名湯に選ばれ、伊豆半島で最も歴史のある温泉である修善寺。桂川沿いには魅力溢れる観光名所が凝縮されており、温泉だけでなく観光も楽しめる温泉街だ。
伊豆の小京都とも評される美しい修善寺の魅力を堪能できるモデルコースをご紹介したい。
温泉街へのアクセス
公共交通機関を利用する場合は、伊豆箱根鉄道の修善寺駅が最寄り駅となる。
修善寺駅から温泉街まではバスでの移動が便利だ。バスで片道約10分の道のりとなる。修善寺駅から修善寺温泉にアクセスできるバスは本数が多い(1時間に3~4本ある)ので使いやすい。時間帯によっては混雑することもあるので、混雑を避けたい場合はタクシー利用が◎。
日枝神社
バスで修善寺温泉に着いたら、まず訪れたいのが「日枝神社」だ。子宝祈願と縁結びにご利益があるとされる神社で、境内にそびえる「一位樫」の木は県の天然記念物となっている。
日枝神社を訪れた際にぜひ見ておきたいのが樹齢800年以上と言われる「夫婦杉」だ。根元が1つになった2本の杉で、雄大な姿は圧巻だ。
修善寺温泉の玄関口にあるパワースポット「日枝神社」は、木々に囲まれた厳かな雰囲気。修善寺旅のスタートに、まずはこちらで祈願したい。
修善寺
次に訪れたいのが、地名の由来となっている「修善寺」。修善寺観光のハイライトの一つだ。弘法大師空海が開いたとされる由緒のある寺で、修善寺観光には外せないマストスポット。
春は桜、秋は紅葉と季節を味わえる本堂や、石積みで建てられた鐘楼堂など、美しく整備された境内には見どころがたくさん。中でも、修善寺ならではなのが水屋(手水舎)だろう。水屋には温泉が引かれており、知らずに手を伸ばすとその暖かさに驚く。寒い季節は湯気が立ち上り、他にはない修善寺ならではの景観を楽しめる。
指月殿
修善寺をお参りしたら、桂川を渡って「指月殿」に向かおう。指月殿は伊豆最古の木造建築物といわれ、修善寺で暗殺された源頼家の冥福を祈って北条政子が寄贈した経堂だ。
また、指月殿の境内には源頼家の墓がある。指月殿を訪れたら、こちらも参拝したい。
朴念仁 重庵
そろそろランチはいかがだろうか。修善寺温泉にはランチを楽しめる店がたくさんあるが、そばの名店「朴念仁 重庵」は外せない。混雑必至の店なので、開店直後を狙って早めに入店することをおすすめする。
古い旅館を改装して作られた趣ある店内からは、修善寺らしい竹林の景観が見渡せる。
そばはもちろんだが、生桜海老のかき揚げも名物。カラッと揚げられ、香ばしい桜海老の風味が存分に楽しめるのでおすすめだ。
源範頼の墓
桂川沿いから少し山を登るが、時間が許せばぜひ立ち寄っておきたい。源範頼の墓までの道中には赤蛙公園など、修善寺の四季を楽しめるスポットも点在している。
源頼朝の弟・範頼の墓で、現在のものは日本画家である安田靫彦のデザインにより建てられたものだそうだ。
竹林の小道
修善寺を代表する遊歩道「竹林の小道」。いかにも修禅寺らしい風情ある散策を楽しめる。天気の良い日は、中央にある竹製の円形ベンチでごろりと寝転んでみよう。竹林から覗く青空が何とも清々しい。
桂川にかかる橋の朱色の欄干と、竹林の緑のコントラストも美しい。
桂川にかかる五つの橋には恋にまつわるご利益があるとされている。川上から滝下橋(夫婦円満)、楓橋(結婚)、桂橋(子宝)、虎渓橋(恋愛成就)、渡月橋(良縁)出そうだ。修善寺観光のついでに「恋の橋めぐり」をするのも楽しい。
独鈷の湯
「独鈷の湯」は修善寺温泉発祥の湯。弘法大師が桂川で病気の父の体を洗う少年に心を打たれ、仏具(独鈷杵)で川の岩を打ち霊湯を湧出させたという。その湯で父の病状は回復し、温泉療法が広まったと伝えられている。
現在は浴場として使用されていないが、伊豆名湯の発祥の湯はぜひ見ておきたい。
一石庵
散策に疲れたら、甘味処で一休みしよう。おすすめは「一石庵」だ。桂川沿いに建つ店内からは修善寺の中心部が臨める。あんみつなどの甘味や、伊豆らしいわさび餅などのメニューが選べる。帰りのバスの待ち時間に使うのも良い。
コンパクトだが魅力の詰まった温泉街
修善寺の名所は桂川沿いにコンパクトにまとまっており、半日あればハイライトを全て楽しめる。温泉と、食と、自然と、歴史と。ミシュラングリーンガイドにも選ばれた伊豆を代表する温泉街を、ぜひ尋ねてみてはいかがだろうか。