六義園(りくぎえん)とは
六義園は東京の駒込にある日本庭園だ。六義園の成り立ちは五代将軍の徳川綱吉に由来し、下記の通りに語られている。
元禄8年(1695年)、五代将軍・徳川綱吉より下屋敷として与えられた駒込の地に、柳澤吉保自ら設計、指揮し、平坦な武蔵野の一隅に池を掘り、山を築き、7年の歳月をかけて「回遊式築山泉水庭園」を造り上げました。六義園は吉保の文学的造詣の深さを反映した繊細で温和な日本庭園です。
庭園の名称は、中国の古い漢詩集である「毛詩」の「詩の六義」、すなわち風・賦・比・興・雅・頌という分類法を、紀貫之が転用した和歌の「六体」に由来します。
山手線の駒込駅から程近いアクセス良好な立地にありながら、雄大な日本庭園と自然が楽しめる場所で、春は桜、秋は紅葉が美しい。葉が色づき始めた秋の六義園を訪れたので、その見所をご紹介したい。
六義園の基本情報
六義園の基本情報は下記の通り。年4回以上訪れる機会があるのであれば、お得な年間パスポート(1,200円)の購入も検討したい。浜離宮などの都立庭園に入場可能な「9庭園共通年間パスポート」も利用できる。
開園時間 | 9:00~17:00 (入場は16:30迄) |
休園日 | 年末年始 (12/29~1/1) |
入園料 | 一般 300円、65歳以上 150円 小学生以下および都内在住・在学の中学生は無料 |
アクセス | JR山手線・東京メトロ南北線「駒込駅」徒歩7分 都営地下鉄三田線「千石駅」徒歩10分 |
駒込駅を降りるとすぐ徒歩2分で六義園の染井門に到着する。ただし、通常こちらは閉門されているので注意したい。特別な開門期間を除き、通常は駒込駅から徒歩約7分の正門からのみ入場が可能だ。
園内の見所
見所の多い六義園。年間パスポートを持つ私が、特におすすめしたいスポットをご紹介する。こちらを巡れば要所は全て抑えられるだろう。
しだれ桜
正門を抜けると目の前に現れる六義園のシンボル、しだれ桜。桜の季節には豪華絢爛な姿を見せる。四季を通して様々な表情を見せる六義園。春は桜を堪能できる名所となる。ソメイヨシノ発祥の地として知られる巣鴨・染井村に程近い六義園で楽しむ桜はまた一興だ。
中の島
妹山、背山と呼ばれる築山が施された中の島は必見。美しく手入れされた雄大な日本庭園が拝める。古くは女性のことを妹(いも)、男性のことを背(せ)と呼んでいたそうで、妹山と背山は男女の間柄を表現したものだそうだ。
中の島を眺めるおすすめのビュースポットは二ヶ所。玉藻磯と後述する藤代峠だ。いずれも中の島を中心として池に浮かぶ島々とその対岸の風景を堪能できるポイントだ。
滝見茶屋
生茂る木々の間を縫っていくと現れる茶屋。小さな滝と渓流を眺められる水辺のスポットだ。井戸水が汲み上げられて渓流を流れ、中央の池に注ぐ。滝壺には亀やアメンボなど、水辺の生き物が見られる。時間を忘れてゆっくりと休憩できるポイント。
吹上茶屋
池畔に建つ茶屋で、こちらでは抹茶とお菓子が頂ける。正門付近にもお茶処があるが、一息つくなら雄大な庭園の風景を楽しめるこちらの吹上茶屋がおすすめだ。
つつじ茶屋
ツツジの古木材を用いて明治に建てられたこちらの茶屋は、戦火を逃れた希少な建造物。周囲はモミジに囲まれ、これからの紅葉の季節にはぜひ足を運びたいポイント。
藤代峠
急な階段を少し登れば、六義園を眼下に見下ろす展望スポットが現れる。ベンチもあり、人の少ない時期・時間であれば六義園の眺望を独り占めできる。
渡月橋
2枚の大きな岩で作られた重厚な石の橋。「和歌のうら 芦辺の田鶴の鳴声に 夜わたる月の 影そさひしき」という和歌から名付けられた渡月橋は必見。橋には欄干がないため、バランスを崩して池に落ちないように慎重に。
2020年の紅葉シーズンは入園予約を
例年、紅葉シーズンには混み合う六義園だが、今年11月11日(水)〜12月13日(日)の期間は入場制限がかかり事前予約が必要となっている。また、例年実施されている紅葉のライトアップイベントも今年は中止だ。コロナの影響でイベントが制限された今年の六義園だが、例年よりも混雑のない環境で美しい日本庭園と紅葉を楽しめるというメリットもある。ぜひ事前予約をして足を運んでみてはいかがだろうか。事前予約は下記のページから無料で行うことができる。先着順のため、入園希望の方は早めに予約したい。
都心にありながら、四季を通して美しい日本庭園と自然を楽しめる六義園。 ぜひ訪ねて頂きたい。